comicbook’s blog

日常を彩るエンターテイメントについてちょこちょこ書きます。

【マンガ】死刑囚042 > 人とはなにか

こんにちは。

何か行動しないとなすがままに時間が流れていきます。昨日も結局家にいるうちに1日が終わっていました。今日はなんとかしようとか言っているうちにまず行動!

 

さて、久しぶりにマンガについて書きます。今回は「死刑囚042」です。先輩に勧められて中古で購入していたのですが、間が抜けていたので最後まで読めていなかった作品です。ようやく揃ったので一気に読みました。

死刑囚042 (1) (ヤングジャンプ・コミックス)

 

死刑囚が日常にいる

簡単な設定とあらすじを書きます。

死刑の廃止が確定した場面から物語は始まります。死刑が廃止されたとしても重罪に対して何か刑を科すことはできないかと、既に死刑が確定していた死刑囚によってとある実験が行われます。

 

実験は頭に感情が昂ると爆発する小型爆弾を埋め込まれ、閉鎖された空間で生活を送るものでした。閉鎖された空間=実験場として選ばれたのは公立の高等学校でした。

 

実験対象となった死刑囚(田嶋)は042号と番号をつけられ、高校で用務員として生活を送ることになりました。

このマンガではすべての事象が現実に起こり得ることを想定して描かれていました。実験に対する反対、死刑囚に対する嫌悪から周囲が起こす行動、被害者の遺族の接触など、それぞれが田嶋と周囲に影響を及ぼし、様々な変化を与えていきます。

 

特に最初に会話した盲目の女学生ゆめは良い意味で両者に大きな影響を与えたように感じます。見えないことで人としての存在を「言葉」で把握して心を通わせます。田嶋には警戒心を解かせることもできて、ゆめには恐怖心を抱かせることがなかったので良かったです。

 

人であるということ

田嶋は人としての感情を失っていて、実験を通しそれらを少しずつ取り戻すことで人らしい感情を表現するようになります。人らしいってなんだっていうのはすごく長くなりそうなので割愛します。

 

嬉しい、悲しい、寂しい、尊い、愛おしい。実験を通して田嶋がどんどんと人らしさを取り戻していく姿に実験に参加する周囲も考えるようになります。人として接してこれたか、実験動物のような目で見ていなかっただろうか。それぞれが実験を通して悩む姿もとても良いです。

 

特に3巻の新しい死刑囚を実験に加える話がターニングポイントだったように感じます。田嶋の変化が中心だったのが周囲の視点も加わり、より物語が深く感じました。

 

まとめ

人とは何かということを感じられる作品でした。田嶋は環境から人をあやめてしまい、実験を通して人として戻っていく姿が描かれていました。その姿をみることで人であるとはどういうことなのか、人ではないとはどういうことなのかを考えさせられました。

 

キャラクターがそれぞれ魅力的で、最期を迎えた際に田嶋が関わってきた人たちが集まってきたのが印象的でした。少し最後が駆け足ではあったので残念でしたが。また気になる作品があれば読んでみます。