comicbook’s blog

日常を彩るエンターテイメントについてちょこちょこ書きます。

【映画】『バケモノの子』感想 > 親子の絆を確かめあう物語

こんにちは。

今週は心機一転の始まりです。とりあえず、住民票取りに行かないと(ぇ

 

さて、先週末バケモノの子を鑑賞してきました。発表されてから公開までかなりの間があり、楽しみが膨らんでいました。公開までのここ数日もTVで多くの特集が組まれていて更に期待度が上がっていました。

バケモノの子 (角川文庫)

以下、感想です。(※ネタバレ含む

 

親子になるということ

簡単に出会いのあらすじをまとめてみました。

幼い蓮は離婚した夫婦の母と一緒に暮らしていましたが、母が亡くなったことをきっかけに母方に引き取られることとなりました。しかし、母が亡くなったというのに父が来ていないという不信感から一人で生きていくと言い残し街に出て行ってしまいます。

 

渋谷で一人佇んでいた蓮は裏路地で小さな白い生き物と出会い、「チコ」と名付け一緒に行動するようになります。そんな時、人間界に弟子を探しに来ていた熊徹が気まぐれで蓮に声をかけます。弟子になるように言われますが蓮は拒絶します。

 

その後、蓮が街を歩いていると警官に話しかけられます。親御さんを呼ぶという言葉に強い嫌悪感を覚え、手を振りほどいて逃げ出します。逃げ回る内先ほど声をかけてきた熊徹一行を捉え、路地裏に消えた姿を追いかけます。追いかけた先にはバケモノが住む渋天街へと繋がっていました。

 

渋天街で百秋坊に助けられた蓮は熊徹と再会します。

9歳だから九太だったんですね。私は始まって早々、蓮って誰ですかとなってました。出会って早々はいがみ合っていた二人でしたが、熊徹と猪王山との戦いで熊徹に自分と同じものを感じた九太が歩み寄り、師弟関係となります。どっちが親なんだか(笑)

 

親子というには微妙な感じですが、似た者通しが惹かれる感じはよくわかりますね。毎回いがみ合ってるのも修行を二人でやるのも楽しく見れました。熊徹も九太のために稼いでいると言っていたところも不器用なりに育てていこうという気持ちが垣間見えました。

 

各地の宗師に強さを問う旅を通してお互いが信頼を深め合う表現も良かったです。旅から戻って、九太が相手の動きを読む力を身につけお互いに学ぶ立場になったのも微笑ましく思いました。

 

「バケモノ」と「にんげん」

中盤のあらすじです。

成長した九太はひょんなことから人間界へ戻ります。図書館で本を読んでいると漢字が読めなかったため近くにいた楓に話しかけます。「くじら」はここの作品でのもう一つのキーワードでしょうか。

 

図書館で騒いでいた学生を注意したことで目をつけられてしまった楓。図書館の前で喧嘩になりますが、九太が助けます。その後、先ほど読んでいた本の漢字を楓が教えてくれることになり二人は図書館で話すようになります。

 

楓と生活を送る内に高卒認定試験を受けることになった九太。親御さんの署名が必要であるということで、幼い頃別れた父親と再会します。父親が自分が行方不明になった後も探してくれていたことを知り、動揺する九太。

 

渋天街に戻って熊徹と話しますが、熊鉄の粗暴な物言いが災いし、九太は出て行ってしまいます。 

渋天街に行くときはどうやって行ったかわからなかったけど、もう一度行くときは結構簡単に行けるんだなぁと見てました。すみません、細かいところがきになります(苦笑)

後、九太が楓にはちゃんと「蓮」って名前を告げたのも印象深かったです。年月が経ってもやっぱり自分の名前は大事です。

 

ここでは「バケモノ」と「にんげん」それぞれの違いを目の当たりにさせる印象を受けました。九太も強くはなりたかったけど、バケモノになりたいわけではなかったことを強く印象付けられました。

 

親子として過ごしてきたつもりでも、分かり合えるのはやはり「にんげん」同士なんだと感じさせようとしていました。

 

「親」と「子」

後半あらすじです。

人間界に戻り、父親と話すことになった九太でしたが、父親の一緒に暮らそうという言葉にこれまでの年月は簡単には埋まらないと拒否してその場から走り出します。

 

街の雑踏で過去の自分の闇を見た九太。ふと胸を見ると黒い穴が空いていて恐怖します。その後、楓と会いますが、九太は自分自身を見失っていて楓に襲い掛かります。楓は久太の頬を打ち、腕に巻いていたかつて大切だった本の栞を九太の腕に巻きます。自分を見失いそうになったらこれをみて思い出してという言葉は胸を打ちました。

 

渋天街に戻った九太は次代宗師を決める試合が明日行われることを猪王山の息子である二郎丸から聞き、家に招き入れられます。幼い頃に仲を深めていた二人はどちらが勝っても友達であることを確かめ合います。帰り際、九太は一郎彦に軒先まで送り届けられますが、敵意をむき出しにした一郎彦に不意に攻撃されてしまいます。勝つのは我が父猪王山であると。

 

闘技場で熊徹と猪王山の次代宗師を決める試合が始まり、猪王山の圧勝かと思われた時、九太が熊徹を叱咤激励します。熊徹はその声で再起し猪王山に勝利します。試合後、熊徹は背後から飛んできた剣に刺されます。剣を飛ばしたのは九太と同じ胸に黒い穴を開けた一郎彦でした。

 本当の家族とは何かという問いかけに感じました。血のつながりだけではない。これまで一緒に過ごしてきた時間はかけがえのないものだったと痛感させられる内容でした。熊徹と九太が共に過ごしてきた時間は大切なものでそれを力に試合に勝った時は言い知れない感動がありました。

 

熊徹が一郎彦の凶刃に倒れた時、九太が我を忘れ一郎彦に刃を向けたのもそれだけ大切に思う存在となったからだと感じました。一郎彦に刃が届く寸前でチコに止められたところをみるにチコはやはり母親なのでしょうか。

 

百秋坊と多々良にも共に過ごしてきた時間から信頼を寄せる九太もとても良かったです。百秋坊が勝てる相手ではないとわかっていながらなぜ向かうのかと九太を叱り付ける場面もこれまでの優しさとは違う厳しさを感じて良かったです。

 

子どものためにできること

ラストあらすじです。

一郎彦が人間だったことがわかり、決着をつけるため人間界へ赴く九太。楓に借りていた本を返し、一郎丸との対決に行こうとしますが楓はついていくと告げて二人で一郎丸と対峙します。

 

一方の渋天街では目を覚ました熊徹が宗師の元に訪れ、神に転生する権利をよこせといいます。試合に勝ち次代宗師となった熊徹には神になる資格がありました。

 

一郎彦の闇を自分に吸収して自決しようとする九太。一郎彦の闇の大きさに負けそうになった時、剣が降ってきます。剣はつくも神となった熊徹でした。熊徹は九太の胸に収まり、二人で一郎彦から闇を払いました。

 熊徹が剣となって九太の胸に入っていた時、感動のあまり泣いてしまいました。これまで過ごしてきた時間を振り返るシーンはマジでダメです。どうやっても泣いてしまいます。

 

元には戻れないとわかっていながら九太のためにつくも神になることを決めた熊徹。一緒に過ごしてきたからこそ大切な人のためにやれることをやる。本当にすごい決意だと感じました。

 

まとめ

「キミとなら、強くなれる」

最高でした!細田監督作品は毎回胸が熱くなるシーンが入っていて見終わった後、清々しい気持ちになります。

テーマソングであるMr.Childrenの「Starting Over」も作品と合っていてとても良かったです。すでに発売されている「REFLECTION」に収録されていますので、ぜひともお聴きください。

REFLECTION{Drip}初回盤

 

かなり楽しみにしていた作品だったので、期待以上の出来に感動しています。細田監督の次回作も楽しみにしています。