【映画】狂気に満ちた両雄の演技に呑まれる(「セッション」感想)
みなさん、おはようございます。
台風が過ぎ去った影響か、気温がものすごく高くなっています。
今後3日間は30℃を超えるそうです。
はてさて、先週末に以下の2作品を鑑賞しました。
自身に馴染みがあったのは『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』です。
今回は「セッション」の感想を書かせていただきます。
公開日が4月17日と1ヶ月前でした。
観たいとは思っていたのですが、タイミングが合わず観れていませんでした。
「百日紅〜Ms.HOKUSAI〜」が先週末公開となり、最寄りの劇場に行ったところ、「セッション」が上映されていました。
公開日に行った時には上映されていなかったのですが、どうやら最近入ったみたいです。
上映時間が19:40〜で百日紅が19:10終了だったためドンピシャでした(笑)
予告編からの推察でめちゃくちゃ厳しいけど、生徒を成長させてくれて、最後は感動みたいなものだと思っていました。
が、そんな生ぬるいものではなかったです。
以下、感想(※ネタバレ含む)
主人公アンドリューは大学1回生の19歳。
ジャズに情熱を注いでおり、プロになることを夢見ています。
そんな中、大学で有名な教師フレッチャーからの誘いを受けます。
明朝6時にスタジオに来い。
遅れるな。
アンドリューは次の日寝坊してしまい、6時過ぎにスタジオ入りしますが、スタジオには誰もいません。
スタジオ入口の貼り紙には9時〜の記載。
スタジオで人が来るのを待ちますが、他の学生たちが現れたのは9時前。
9時ちょうどにフレッチャーもスタジオ入りします。
今日からバンドに加わる、かわいい19歳の新人だ。
正直に言いますと、この時点で色々考えました。
1つはフレッチャーは6時ちょうどに来ていたが、アンドリューがいなかったために帰った。
9時ちょうど(秒針もぴったり)に現れたのを考えると時間には正確そう。
1つは単に洗礼的な意味合い。
早く来たんだろ?かわいいやつめという意味。
どちらかというと後者を感じました。
そこからバンドの演奏が始まり、音程がズレていることを指摘するフレッチャー。
犯人探しのようにパートごとに音を鳴らさせます。
最終的に一人のぽっちゃり体型の学生を指摘。
フレッチャーはキレた様子で罵詈雑言を並べ、学生をスタジオから追い出します。
学生が出て行った後、フレッチャーがズレていたのはお前だと別のやつを名指ししたのは笑った。
一旦休憩に入り、スタジオ外でフレッチャーがアンドリューに話しかけます。
家族に音楽家はいるか?という問いかけに始まり、家族の話を聞きます。
最後にこれから頑張れという言葉を投げかけます。
こんなの期待されてると思うじゃん。
再開した練習でアンドリューにドラムを叩かせるフレッチャー。
リズムが違うとキレ気味で、最後にはアンドリューに向かって椅子を投げつけます。
拍数を声に出してとってみろと言います。
ワン、ツー、スリー、フォ(パンッ!)
ワン、ツー、スリー、フォ(パンッ!!)
ワン、ツー、スリー、フォ(パンッ!!!)
ワン、ツー、スリー、フォ(パンッ!!!!)
立て続けに繰り出されるビンタ。
これは体育会系やなー。
そんなこんなで練習を続け、コンクールのようなものに出場。
バンドにはパートごとに主奏者とそれ以外がいて、アンドリューはそれ以外です。
主奏者から楽譜を預かりますが、椅子に置いて目を離し無くしてしまいます。
主奏者は楽譜がないと演奏できない疾患があるらしく、アンドリューが志願し演奏することに。
無くしたやつが演奏するとか、無くされたやつキレるだろ、これ。
コンクールでの演奏が良かったのかアンドリューが主奏者となります。
それからフレッチャーが当て馬みたいなのを連れてきたり、アンドリューが練習に集中するために彼女に別れを告げたりします。
そして主奏者として迎えたコンクール。
場所が遠かったため、バスで向かっていましたが途中パンクで動かなくなります。
開演時間が迫っていて、焦るアンドリューはレンタカーを借りて急ぎます。
演奏時間には間に合いますが、スティックをレンタカーショップにおき忘れてきました。
10分で自分のスティックを持って来いというフレッチャーの言葉を受け早々に取りに戻ります。
スティックを取り戻し、会場に向かう車内で電話をかけます。
もうすぐつくから待ってろとメンバーに伝える最中
💥💥💥
案の定事故ります。
徒歩で会場に向かい、血まみれで舞台に立ちますが演奏などできるはずもなく途中で中断。
アンドリューは退学処分となり、父親と弁護士との会話シーンになります。
以前フレッチャーに教わっていた学生も鬱になったと弁護士に言われ、父親からは愛する息子がボロボロにされたのは許せないという言葉が出ます。
フレッチャーの教育について喋って欲しいと言われ、アンドリューがアップになり場面が切り替わります。
ジャズに関わるものを片付けて、店員として働いている様子のアンドリュー。
街を歩いているととあるジャズバーでフレッチャーの名前を見つけます。
入ってみると、ピアノを演奏しているフレッチャーがいて終演まで覗いています。
終わったと同時に目が合ってしまい逃げ出そうとするアンドリューにフレッチャーが声をかけます。
大学を辞職したらしく、コンサートが控えていてプロオケの指揮を担当するようです。
次のコンサートに出ないか。
やるのはスタジオでやっていた曲だ。
フレッチャーからその言葉を受け、アンドリューはやることを決めます。
当日。
参加者は業界人が多く、成功すれば道が開け、失敗すれば道が閉ざされるとのこと。
開演直前にフレッチャーがアンドリューに耳打ちでこう告げます。
告発したのはお前だな。
会場に来ている客にこれから披露するのは新曲ですと告げるフレッチャー。
アンドリューが周りの楽譜を見ると自分のものとは違う曲名が書かれている。
無我夢中で演奏するが全く合わず、曲が終わった後にはまばらな拍手が残ります。
お前は無能だ。
再度耳打ちで告げます。
それを聞いたアンドリューは外に出ようとしますが、ふと立ち戻り曲を演奏し始めます。
曲はスタジオでやっていたキャラバン。
フレッチャーは止めさせようとしますが、業界人の目が気になり演奏を継続、指揮をとります。
曲が終わった後も演奏を続けるアンドリューにフレッチャーが声をかけますが、合図を出すから待てとのこと。
そのままソロ演奏を続けるアンドリュー。
その鬼気迫る演奏をみてフレッチャーも教育者としての本能を揺り動かされ、指示を出します。
そのまま演奏が続き、エンドロール。
いやー、演技が圧巻。
人物の心情が伝わってきて、すごいの一言です。
血だらけになりながら、ボロボロになりながら、それでも演奏を続ける姿が目を釘付けにします。
結局物語の人間的にはどちらも似たり寄ったりでしたが、演技に関しては素晴らしかった。
バードマンが撮影技法やキャストの熱演、物語の共感性でアカデミー作品賞でしたが、それにも劣らない演技だったと思います。
来週末から公開の映画もたくさんあるので楽しみなとっしゃんでした。